雷神トールとアワだっくんと僕
例えば高校の時付き合っていたカップルが年数を経て偶然町で再会した時の話
ずっと一緒にいよう。そう二人で誓い合ったのは7年前。当時高校生だった二人には今が全てで、この時がずっと続く、そんな風にさえ思えた。
しかし大学進学で遠距離恋愛になった二人は最初の頃は連絡もとりあっていたものの、だんだんと疎遠になって自然消滅。よくある話だ。
そして最後に彼女の姿をみたのが2年前、大学を卒業し社会人になる前の同窓会の飲み会があったが、結局話せずに解散。
そんな彼女と仕事帰りに寄ったスーパーでばったり会ったのだ。
最後に会って話したのは確か5年前。いや、6年前だったか?男は思い出そうとするが思い出せない。
今はどうしてるの?
彼女は昔と変わらず優しい笑顔でこちらを向いてくる。
男は咄嗟に元気にしていることを伝える。
元気そうね、高校の時と全く変わらないからすぐ分かっちゃった
彼女がふりまく笑顔は高校の時と何一つ変わらない。
積もった話は山のようにある。
大学での出来事。大学卒業後こちらに帰ってきていること。2年の時の担任が教頭になったこと。僕は君のことを未だに愛していること。
男のほうは7年間変わらず、ずっとやり直したいと思っていた。あの時の女の優しさ、温もり、一緒にいた時間を今も忘れられない。
出来ることならあの頃の関係に戻りたい。好きだという気持ちは7年前と変わらず、むしろそれ以上なのかもしれない。
だが、女が口元を隠す左手の薬指に嵌められた指輪の前には伝えたい言葉は何一つ出てこない。
女は前に進んでいる。もう昔の彼女ではないのだ。
大学に進学する際、遠距離恋愛になっても男君を愛する気持ちは変わらないと言った、その言葉ももはや彼女の口から聞くことはない。
永遠に変わらないものなんてない。二人で語ったずっと一緒にいようと決めた思いさえも。
ただ僕の気持ちだけは絶対に届くことはなくとも、変わらずにこれからも過ごしていくのだろう。そんなことを男はぼんやりと考えてしまう。
久しぶりに会ったとは思えないほどあっさりと二人の会話は終わり、それぞれの帰路へと戻ってゆく。
自分も彼女みたいに変われるかな…
去り行く彼女を見ながら男はどこか晴れやかな気分でその場を立ち去るのであった。
雷神トールを起こすために3CPになって以降、使ったことのないアワだっくんがいいんじゃないかと思い再び使ったものの、AP炎上しかならなくて無理だと感じ、速攻で抜いた僕の気持ちを例えるとこんな感じです。